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JATMA日本タイヤ協会 2022年12月のニュースリリースは、「リトレッドタイヤ」!? ~2023年は、リトレッドタイヤの風が吹く?~

Q1.はじめまして。昨年11月に入社した江島です。早速ですが、2023年は、リトレッドタイヤ業界に新しい動きが出てくるのではと考えているとお聞きいたしました。安倍社長、これについて、どういうことか少し解説していただけますか?
A1.実は、昨年末ですが、JATMA(日本自動車タイヤ協会)というところから、ニュースリリースが出されました。タイトルは「トラック・バス用リトレッドタイヤ普及による資源使用量とCO2排出量の削減効果について」というものです。まずは、そもそもJATMAとは?という話ですが、自動車タイヤ製造業の発展のために1947年に設立されました。構成団体は、日本国内のタイヤメーカーはもとより、海外のメーカーの日本法人が参加しているところもあります。具体的には、正会員としてブリヂストン、住友ゴム工業、横浜ゴム、TOYO TIRE。準会員は、日本ミシュランタイヤ、日本グッドイヤーが参加しています。国内の主要なタイヤメーカーですね。想像される通り、新品のタイヤを売った方が各社にとっては高く売れますので、リトレッドタイヤについてはある意味、売りたくない商品ではあるのです。ですが、その売りたくない商品「リトレッドタイヤ」を前面に出して「ニュースリリース」を発表したというのは非常に驚きでした。
Q2.その内容を少し解説していただけますか?
A2.内容は、3部に分かれています。
1.はじめに
2.リトレッドタイヤ普及による資源削減効果の算定
3.リトレッドタイヤの普及によるCO2排出量削減効果の算定
です。それぞれ見ていきましょう。
「1.はじめに」ですが、まずリトレッドタイヤとはどういうものなのか?と解説しています。弊社も加盟しています「更生タイヤ全国協議会」のウェブサイトから、今回のリリースのデータや、リトレッドタイヤのイメージ図が引用されています。ここからも、今回のニュースリリースのちょっと特殊なところが見えていると思います。
Q3.そうですね。ニュースリリースは通常自社や自分たちの新しい取り組みや知ってほしいことをお知らせしますので、通常とは多少違っていますね。
A3.そうなんです。で、次に「2.リトレッドタイヤ普及による資源使用量削減効果の算定」になります。ここで、日本国内市場でのリトレッド使用率と資源削減量の推移を計算しています。日本国内のリトレッド使用率は約18%で推移しており、資源削減量は4.5万トン前後で推移しているとの計算を行っています。もう少し弊社も頑張らなければならないと思ったのですが、タイヤ市場の中でのリトレッドの割合が一定であったというのは残念な気がします。地球環境問題の重要性が益々重要になる2023年は、この割合を少しでも増やしていかなければならないと強く思いますし、環境意識を高める取り組みもやっていかなくてはなりません。
Q4.「3.リトレッドタイヤの普及におけるCO2排出量削減効果の算定」についてに移りますが、この部分の解説をお願いいたします。
A4.ここは、まず、「タイヤのライフサイクル」という概念を用いて、生産~廃棄まで4つに分けています。このうち、どの部分でCO2が削減されており、全体でどの程度CO2削減できているかを計算しています。
タイヤのライフサイクルを4つというのは、①原材料生産段階 ②原材料輸送段階 ③タイヤ生産段階 ④廃棄・リサイクル段階 の4つです。各段階で、新品タイヤからリトレッドタイヤに置き換わる際のCO2削減量を算出しています。
まず、新品タイヤがリトレッドタイヤに置き換わることによる全体の排出量は、ほぼ同じで約20万トン。先ほどの4つのライフサイクルのうち①原材料生産段階での削減量が最大で約11万トン。次に④廃棄・リサイクル段階での削減量が6.5万トン前後となっています。
Q5.やはり原材料生産段階でのCO2削減量が最も大きいんですね。
A5.そうですね。「図1 リトレッドタイヤイメージ図」を見ていただいても一目瞭然ですが、台タイヤを変えるわけではないですし、トレッド部分を張り替えるリトレッドタイヤは、明らかに環境にやさしいと言えます。もちろん、毎日現場で見ている私たちには、このことを日々実感しています。一度、工場見学に来てもらうとこのことが実感できると思います。

Q6.最後の部分、「図4 リトレッド率とCO2削減量の関係」これは、今回のニュースリリースの最も大切だと聞きました。
A6.そうです。これは、リトレッド率と、年間CO2削減量の関係を示したものです。ここで、リトレッド率が伸びると、年間CO2削減量も比例して増えることが示されています。日本のリトレッド率は、20%前後で推移しており、当然のことですが、この割合を増やすことがCO2削減につながる、ということをJATMAさんも世の中に広めようという意図を感じます。
このニュースリリースには書いていないのですが、実は、コストも削減することができるのがリトレッドタイヤの大きな強みです。そのため、高く売りたいタイヤメーカーさんにとっては、実はこのニュースリリースは相反することではありますが、それでもやっていく必要があるということがすでにタイヤ業界全体に広がっているとも言えます。今回のニュースリリースでは、私たち、更生タイヤを作っているメーカーだけでなくタイヤ業界全体として次のステップに踏み出すというメッセージを受け取ることが出来ます。独立系の我々日米ゴムにとっては、タイヤメーカーとの競合も激しくなっていくことになるでしょうが、CO2削減のため市場拡大のチャンスが広がることにつながります。
お客様のコスト削減と、CO2削減を両立することが出来る「リトレッドタイヤ」の可能性が益々広がる一年になりそうです。
リトレッドタイヤをご検討の際には、ぜひ、日米ゴムをご指名ください。また、ご指名いただけるようご提案できる社内体制も作っていきます。どうぞ、ご期待ください。

JATMAニュースリリース前文(PDF)

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